瑞 龍 寺

富 山 県


所 在 地
山   号
宗   旨
本   尊
創 建 年
開 山 者
開   基
指定文化財


訪 問 日


富山県高岡市関本町35
高岡山
曹洞宗
釈迦如来
1614年(慶長19年)
広山恕陽(こうざんじょうよう)
前田利常
国宝:山門、仏殿、法堂
重要文化財:総門、禅堂、大茶堂
高廊下、北・南東・南西回廊、
2016年5月21日

曹洞宗高岡山瑞龍寺は、加賀二代藩主前田利長公の菩提をとむらうため三代藩主利常公によって建立されて寺です。
利長公は高岡に築城し、この地で亡くなりました。加賀百万石を譲られた義弟利常は、深くその恩を感じ、時の名匠山上善右衛門嘉広をして七堂伽藍を完備し、広山怨陽禅師をもって開山されました。
造営は正保年間から、利長公の五十回忌の寛文三年(1663)までの約二十年の歳月を要しました。当時、寺城は3万6千坪、周囲に濠をめぐらし、まさに城郭の姿を想わせるものがありました。
平成9年12月3日、山門、仏殿、法堂が国宝に指定されました。また、総門、禅堂、大庫裏、回廊、大茶堂が国の重要文化財に指定されており、江戸初期の禅宗寺院建築として高く評価されています。

前田利長公の像と瑞龍寺への参道

総門

山門(国宝)

金剛力士「阿」

正保二年(1645)に建立され万次年間に場所を変えて建て直されました。
延享三年(1746)火災で焼失し、現在の建物は文政三年(1820)に竣工しました。当時としては珍しく和算により設計されています。
左右に金剛力士像を安置し、楼上には釈迦如来、十六羅漢を祀っています。

金剛力士「吽」

仏殿(国宝)


万治二年(1659)に建立されました。山上善右衛門嘉広の最も心血を注いだ力作の一つで、総欅造りです。屋根は鉛板で葺かれています。これは全国においても金沢城石川門にその例を見るだけです。
上層軒組は、禅宗建築の純粋な形式であり、屋根裏の扇垂木やエビ虹梁など複製にして妙を得た架構法です。

御本尊として中国明代の釈迦・文殊・普賢の三尊を祀っています。

法堂(国宝)

明暦年間(1655~1657)に竣工しました。建坪は186坪境内最大の建築、総桧造りとなっています。構造は方丈建築に書院建築を加味したもので、六室から成っています。中央奥の内陣には二代藩主前田利長の御位牌が安置されています。法名は「瑞龍院殿聖山英賢大居士」。中央二室の格天井には狩野安信の四季の百花草が描かれており、正面内陣の欄間には高岡という地名の由来となった鳳凰が刻まれています。

法堂の内部

法堂のお賓頭盧さま

鐘楼がありました

石廟(富山県指定文化財)

茶室跡

回廊

禅堂(重要文化財)

回廊

大庫裏

大庫裏内に展示されていた砂曼荼羅

砂で描かれた曼荼羅です とても鮮やかな色使いです

仏殿と法堂です シンメトリーの伽藍です

伽藍は、鎌倉時代広く我国にもたらされた中国の寺院建築を模して建立されたもので、総門、山門、仏殿、法堂を一直線に配置し、左右に禅堂と大庫裏を置き、加えて四周を回廊で結ぶなど、厳粛かつ整然たる伽藍構成です。
名匠山上善右衛門嘉広は、利長公の代より前田家の信任厚く、禅宗様建築を良くし、近世工匠の中でも一流の域に達した名工の一人でした。
なお善右衛門はこの瑞龍寺の他に、能州滝谷の妙成寺、加州耶谷寺の諸堂、越中大岩日石寺、能州一宮気多大社、加州小松の天満宮等、多くの建築を命ぜれらました。